要介護になりやすいロコモティブシンドロームについて

歩行困難や寝たきりを招くロコモティブシンドローム

ロコモとは?

ロコモティブシンドローム(略称:ロコモ、和名:運動器症候群)とは、「運動器」の機能に障害が起きて、立つ・歩くといった「移動機能」が低下した状態のことをいいます。
運動器とは、骨や関節、軟骨、筋肉、神経などの総称です。すべての運動器は単独で機能しているのではなく、連携して働くことで体を動かすことができる仕組みになっています。ところが、運動器のうちどれかひとつでも故障したり連携がとれなかったりすると、その影響は体全体に及んで体を動かすことに支障が出ます。そのためロコモが進行すると、要介護や寝たきりを招く恐れがあるのです。
40歳以上を対象とした調査によると、ロコモは予備群を含め約4,700万人と推計されています。

ロコモの原因

運動器も老化によって衰えていきます。ただし、ロコモには運動不足や栄養の偏り、肥満、やせすぎなど生活習慣も大きく関わっています。エレベーターやエスカレーター、自動車など便利な移動手段の利用によって、現代人は体を動かす機会が減る一方です。運動習慣のない生活を続けていると、徐々に運動器は衰えていきます。
体を動かさなくなると、体重が増えて肥満を招きます。すると膝や腰などの関節に大きな負担がかかり、膝痛や腰痛などが起こることがあります。また、やせすぎると、体を支える骨や筋肉も弱くなってしまい、骨折などが起こりやすくなります。 痛みや骨折などが生じ、思うように体が動かせないと、ますます体を動かさなくなるという悪循環が起こります。その結果、自分の足で立ったり歩いたりすることができなくなり、介護が必要な状態になってしまうのです。

痛みの放置はロコモの危険性を高める

「腰が痛い」「膝が痛い」「背中が丸くなった」などの症状があっても、本人も周囲も「年のせいだから」と思いがちです。しかし、放置していると運動器の衰えはますます進行し、ロコモの危険性が高まります。
ロコモと特に関係が深く、高齢者に多い運動器の病気には、「変形性膝関節症」「変形性腰椎症」「骨粗しょう症」などがあります。すでに腰や膝に痛みやしびれなどの症状がある場合は、整形外科を受診し適切な対処が必要です。

ロコモをチェックしよう

ロコモかどうかは、次の「ロコチェック」で簡単に調べることができます。7項目のうち、1つでも当てはまる場合は、ロコモの心配があります。

ロコモのチェック(ロコチェック)

1 片脚立ちで靴下が履けない


2 家の中でつまずいたり滑ったりする


3 階段を上るのに手すりが必要である


4 家のやや重い仕事が困難である(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)


5 2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難である(1リットルの牛乳パック2個程度)


6 15分くらい続けて歩くことができない


7 横断歩道を青信号で渡り切れない

出典:公益社団法人 日本整形外科学会/ロコモチャレンジ!推進協議会「ロコモ パンフレット2015年度版」より

ロコモを予防するには

ロコモを防ぐには、運動によって骨や筋肉に適度な刺激を与えることが大切です。筋肉は高齢になってもつけることができます。特に足と腰のまわりの筋肉を鍛え、丈夫な足腰を維持することがカギとなります※3。スクワットや腹筋など軽い運動でよいので、毎日継続して取り組みましょう。
また、運動器の機能を保つには、炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルの「5大栄養素」を1日3回の食事からとることも不可欠です。特に高齢者では、ロコモを進行させる「サルコペニア(筋肉減少症)」などを招く「低栄養」に注意が必要ですが、なかでも筋肉をつくるために不可欠なたんぱく質の不足が指摘されています。たんぱく質を多く含むのは、肉、魚、卵、乳製品、大豆製品です。毎日の食事の中で積極的にとりましょう※4。

※3 すでに膝や腰などに痛みなどの症状がある人や治療を受けている人は、自己判断で運動を開始すると、症状が悪化する場合があります。必ず医師に相談してください。

※4 腎臓病などがある人は、特にたんぱく質の摂取を制限されている場合があります。持病(既往症)があり治療中の人は、必ず主治医に適切な食事について相談してください。

→ 介護保険制度ー要介護認定の判定や区分について

→「要介護状態」とは要介護状態にあるかどうかは、どのように判断されるのか。

→ 要介護になるさまざまな原因(要介護状態になりやすい病気や症状)

→ 要介護状態になりやすい脳血管疾患(脳卒中)について

→ 要介護状態になりやすい心疾患(心臓病)について

→ 要介護状態になりやすい糖尿病について

→ 要介護になりやすい骨折について

引用文献

ベネッセスタイルケア

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