老年期うつ病評価尺度(Geriatric depression scale 15;GDS15)

抑うつの評価について

高齢者は、子供が独立し、家から離れていった時や配偶者の死、一人暮らしになり人との関わりが減ってくることへの孤独感など、少しの生活環境の変化でも精神的な衝撃を受けやすく、抑うつを合併する危険性があります。
入院高齢者が環境の変化による倦怠感や夜間せん妄など、認知症状などが現れたり、抑うつを合併すると入院期間が長期的となったり、生活能力の低下を招くなど悪循環に陥ってしまいます。
「入院後に幻視が見える」「寝付けないことで不眠を訴える」「原因疾患は改善しているのに意欲の低下や食欲が低下し、リハビリを出来る体力がないことで、リハビリが進まない」などがあったら、早期に抑うつの評価を行い、看護師・精神科医・カウンセラーを交えた医療チームで介入を行う必要があります。
抑うつの評価には【GDS-15】などの評価ツールが、老年期うつ病評価尺度(Geriatric depression scale 15;GDS15)である.

GDS-15はうつのスクリーニング検査として世界で一番使用されているといっても過言でない検査である.GDS-15が世界的に使用されているのは,

①15問の短い質問から成り立っている簡便な検査である.
②被検者が「はい」「いいえ」で答える形式なので,答えやすく,採点が容易である.
③施行時間が5~7分である.
などの理由である.



GDS-15は今から約30年前にSheikh and Yesavage(1986)2)によって作成された.優れた検査なので,今までに,GDS-15の日本版は十指に近い数のものが作られてきた.日本版を作成するには,原版の翻訳,原版の日本文化への適応,日本版の標準化(妥当性,信頼性,最適なカットオフ値の決定)が必要であるが,いずれも多くの困難を伴う.このため従来の日本版は作成者の多大な努力にもかかわらず,不十分なところがあった.特に標準化については,今まで一つの日本版について1991年に一度行われただけである.翻訳,文化適応および標準化が適切でないと,検査の得点が正しくなかったり,うつと非うつの分類が正しくできないことがある.
今回の老年期うつ検査-15-日本版(GDS-15-J)は2008年に杉下守弘,朝田 隆によって作成された3).そして,認知症の国際的研究プロジェクトであるアルツハイマー病神経画像戦略(J-ADNI,代表 井原康夫)で2008年から用いられた.その後,2011年から杉下和行を中心に,逸見 功が統計を担当して,DSM-Ⅳと関連づけた妥当性の検討,内部一貫法による信頼性の検討などの標準化を行った4).妥当性については,ROC解析を行い,最適なカットオフ値6/7(7点以上はうつを示唆している)を得た.最適なカットオフ値6/7の感度は.981であり,特異度は.855でいずれも非常に高かったので,妥当性は非常に高いといえる.また,この検査は感度・特異度いずれも高く,有用性の高い検査であることを示している.因子分析をしたところ,3因子が得られ,いずれもうつに合致する因子で,構成概念妥当性も高かった.信頼性については内部一貫法によって検討したところ高い信頼性が得られた.妥当性,信頼性ともによい結果が得られたので,このたび,老年期うつ検査-15-日本版(GDS-15-J)を公刊することにした.  近年,GDS-15は国際的研究や国際的治験で使用されるようになった.国際的な研究ではGDS-15を使用するには上記の3つの点について入念に作成されている必要がある.老年期うつ検査-15-日本版(GDS-15-J)は,3つの点に関して完成度が高く,国際的研究にも耐えうるものと考えている.しかし,著者らが気付かなかった欠点もあるかもしれない.諸賢のご意見を頂ければ幸甚である.

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老年期うつ病評価尺度(Geriatric depression scale 15;GDS15)

(1)老年期うつ病評価尺度(Geriatric depression scale 15;GDS15)は 15項目からなるうつ評価スケールで、あり、項目毎に「はい」「いいえ」で回答し、 1間 1点で計算され、 15点満点である。 5~9点はうっ傾向、 10点以上でうつ状態と評価される。適応年齢:55歳~92歳

→ 長谷川式簡易知能評価スケール(長谷川式認知症スケール)

→ 精神状態短時間検査(MMSE)~認知機能評価 評価用紙 点数 項目 検査~

引用文献・参考文献
GDS-15-J 老年期うつの検査-15-日本版
Geriatric Depression Scale-15
著者 杉下守弘 朝田隆 杉下和行
所要時間 5~7分程度

著書 JJNスペシャル NO.88 医学書院 岩田充永
急変予防&対応ガイドマップ 高齢者救急

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