介護基礎学 ~自立支援介護の時代が始まる~


介護基礎学 ~自立支援介護の時代が始まる~

 介護は、いうまでもなく「介護」という方法を用いる生活支援の一つである。かつては先天的・後天的な障害を持つ人々への支援としてあったが、高齢社会に入って、介護は文字通り国民全体の問題として、この国の人々の生活のありようとして何ら特殊なものではなくなった。

介護の出発点は自分でまわりのことが出来ない人々へのお世話であった。日本の、背勝の高齢者介護の歴史は「お世話の歴史」であるといっていい。高齢者介護の姿を、特別養護老人ホームでの介護で見るとこのことがよくわかる。

しかし、そうした中にあって、重度の要介護高齢者のお世話のシンボルたるおむつは、介護者自身が自分の身にあてはめた時に、そうなりたくないという対象にも常になっていた。この素朴な、生活感覚ともいえるものが自立支援介護の芽であり、原動力ともなった。お世話は、その中に温かさや思いやりをいくら述べたてようとも、すべてが介護者側の世界からのとらえ方である。一方自立支援は、明らかに相手の側に立ち、相手の生活、相手の人生への視点の転換を含んでいる。

私たちは相手を主体者として、その生活や人生に奉仕する介護の生活に踏み込んだ。

また自立支援介護を実践してみると、人間の生命力の豊かさに感動することが多い、その感動はまた、静かに生を終えていく人びとへの心からの敬意へと結びつけていく。

自立支援介護とは一人の人の人生と触れ合うことだと実感する。

しかし自立支援介護は実践者にとって少なからぬ課題をももたらしてくる。それは、お世話にはなかった、人間の心身の深い世界への探求である。

人間はある意味で生理的存在ともいえるから、身体的自立を求めようとするときには生理的知識とそれにもとづくケアを必要とする。そしてそのことが心とどう結び付くかの考えを求めてくる。本書は主にこのような観点から書かれている。1998年に出版された「介護基礎学」(医歯薬出版)の全面改定版である。これら出発点となった経験は、長年にわたる特別養護老人ホームでの重度要介護者との直接間接の触れ合い、地域での介護予防事業での経験、パワーリハビリテーションを通して比較的軽度要介護者との経験、そしてリハビリテーション医としての医療での経験から成っている。



 

引用文献 参考文献
新版 介護基礎学 ~高齢者自立支援の理解と実践
竹内孝仁 著書

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