「最期は自宅で」 医療と介護「包括ケア」


「ちょっと痛いですね、体を動かしますね」。東京都墨田区の民家。介護ベッドに横たわる田中ハル子さんにヘルパーの女性が手をあて、姿勢を変える。隣室で見守る長女の佐藤英子さんは「たくさん声をかけてくれて、母の表情も病院にいたときより明るくなりました」。しばらくして「あとはお願いします」と声をかけ、買い物に出かけた。
ハル子さんは認知症で、おなかから胃に管で栄養を入れる胃ろうもつける。要介護度は最も重い「5」。3年前、ケアマネジャーに介護施設への入居を勧められ、介護老人保健施設に入った。1年後に肺炎で入院。その後、寝たきりになり、病床で「帰りたい」と口にするようになった。
英子さんは、知人の紹介で自宅近くの在宅緩和ケアクリニックを訪れた。川越厚院長から訪問看護やヘルパーなどで構成するチームで、在宅でハル子さんを支えると告げられた。「お母さんは自分の部屋にいれば幸せ。あなたは介護を『4』、あとの『6』は自分の人生を楽しむことに使いなさい」。母と自宅で一緒に暮らすことに決めた。
今は日中ヘルパーが2回来て、30分、オムツ交換や口のケアをする。週3回は入浴のデイサービスが迎えに来る。訪問看護師は週1回、医師は2週間に1回往診。薬や健康の相談に乗ってくれる。リビングには、24時間対応の看護師の連絡先が貼ってある。いつでも駆け付けてくれる安心感がある。


引用
朝日新聞社

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